2016年5月3日火曜日

猫短歌(猫とカリカリ、他)

カリカリを 一口かじり 「何これ?」と グルメな猫が 顔をそむける

缶切りで 猫缶開ける 音を聞き 屋根上の猫 駆け下りてくる

夕闇に 皿に盛られた カリカリを 猫がかじって しじまを破る

「またこれ?」と 言いたげな顔 カリカリを 皿に盛られた 猫が見上げる

段ボール猫のハウスに2匹乗り 屋根を破ってともに落ちれり

並べたる 皿に各々 猫どもの 縄張りがあり その場所で食う

久方の 猫缶出せば 猫どもが 競いとびつく 梅雨の夕暮れ

抱き上げた 猫のキックで ワイシャツの 胸の左の ポケット破れる

缶切れば 地の果てからも 駆けつける 超高感度 猫の耳かな

カリカリと 猫缶とでは これほどに 反応違う 猫の好みよ

「猫缶が出たそうだな?」と家出した猫が戻った晩はカリカリ

猫缶と カリカリ混ぜて 与えれば 猫缶だけを 選り食らう

梅雨時の 霧の公園 駆け抜けて 猫缶買いに 行き帰る夜

新しい段ボール製猫ハウス 三匹乗っても屋根は破れずw

名にし負う ささみを皿に 盛るならば 猫押し寄せる 文月の夕

腹くちく なるまで食いて 猫どもの ニャンとも鳴かぬ 土用丑夜

ささみ肉 味を覚えた 猫どもが 「これじゃないよ」と カリカリを見る

ささみ肉 出ぬとあきらめ カリカリを 仕方なさげに 齧るわが猫

嬉しげに 尾を右左 振りながら カリカリを食む さび柄の

ミギャギャギャと 餌をねだりて 夕時の 台所裏 若猫鳴けり

カリカリを 食べよ猫ども カリカリを 食わずばほかに 食す物なし

振る舞いの 猫缶食べず バカ猫が ニャーンと鳴いて また家を出る

肉の味 覚えた猫は 猫缶を 横目で見やり 口さえ付けず

夕食の 時間に遅れ 鶏肉を 食い損ねた猫 ニャーニャーと鳴く

食って寝て 年末年始 クリスマス 何も変わらず 猫は生きれり 



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