母が、猫たちのために『爪とぎ』を買ってきてくれた。
猫たちが、家の柱や襖の縁(ふすまのへり)で爪を研ぐので、何とかするかと考えていた矢先のことである。
細切りの段ボールを十数枚接着したもので、この容器のフタを開けて吊るす、裏表使える、などと取扱説明書に書いてある。
容器の加工にカッターが必要と思われることに加え、吊るす適当な場所がないので、とりあえず容器から出して部屋の壁に立てかけた。
「これからはこれで爪を研げ。わかったな」
とリーダー格の猫に言ったが、むろん人間の言葉がわかるはずもなく、言っているそばから彼は襖の緣で爪を研ぎ始めた。
爪とぎを 買ってやっても 猫どもは 部屋の柱で 爪を研げれり
「これこれ。ダメでしょ。これで研ぎなさい」
と、猫の前足をダンボール製ぼ爪とぎに当てたが、猫は「にゃああん」と明らかに拒否の鳴き声を上げている。
「まあ、いいか」
爪とぎをまた壁に立てかけて部屋を出た。
しばらくして猫の部屋を訪れると、何と!
壁に立てかけておいた爪とぎが、床に倒され、その上にリーダー猫のピャクリが座っているではないか。しかもハコ座り!ww
リーダー猫は目を細め、いかにもくつろいでいる風。どうやら、爪とぎの材料である段ボールの切断面が心地よいらしい。
さらに。しばらく見ていると、爪とぎの上から下りたリーダー猫は、床に横倒しになっているその段ボール製の爪とぎを、ガリガリ引っかき始めた。やった!!www
爪とぎを ベッド代わりに 猫が敷き 下りては爪を ガリガリと研ぐ
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