2016年5月28日土曜日

下りる時 贅肉の重みが 足にかかる (おりるとき にくのおもみが あしにかかる)

昨年、野良猫たちを引き取ってしばらくしたある日のこと。
母がリーダー格の白狸(ピャクリ)を指して、
「あの猫はよく食べるのに、全然太らないねえ。お腹に虫でもいるんじゃないの?」
と言った。

…確かに、野良上がりの彼ら、回虫が体内にいる可能性はこちらも考えていた。
さっそく、近所のDIYショップのペットコーナーへ行き、犬猫用の虫下しを買ってきた。
犬ならばオブラートにくるんで飲み込ませることもできるだろうが、猫ではそうもいかないだろう。湯通しした鶏ムネ肉の細切りを餌皿に盛って、注意書きの分量を守って混ぜた。

問題の猫は台所の裏にいて、皿に盛った鶏肉を見せると飛び付くように食べ始め、ほどなく平らげてしまった。
念のため、ほかの猫たちにも、餌に混ぜて虫下しを飲ませた。
…それから2週間ほどすぎた頃からか、何となくピャクリの下腹に肉がついてきたように見える。
「ああ、太ってきたじゃないか。やっぱり回虫がいたんだな」
と思い、回虫駆除に成功したのであろう、と喜んだ。

しかし、 ピャクリはその後も肉付きがよくなり、有り体に言えば太ってきた。
カリカリや肉を、毎日バクバク食べているのだから当然かもしれないが。

健康に なってほどなく 猫太り
 
そして体重の増加は、彼にプラスとマイナスの結果をもたらした。
プラスの方は、体格が横にひと回りほど大きくなったためか、押しが強くなり、縄張りに侵入してくる近所の野良猫を、ほとんどうなり声だけで撃退するようになったこと。飼い主としては喧嘩は心配の種だが。

マイナスの変化は、高い場所への(からの)移動である。
太る前は、1mほどの高さの場所へは、身軽にしなやかに昇り降りしていたのだが、太った後は様子が変わってきた。
高い所に上がる時は問題ないが、下りる時に自分の体重が前足にかかるらしく、一呼吸ほど置いてから下りるようになったのだ。それはまるで、
「いち、にいの……さんっ」
という風にタイミングをはかっているようで何ともおかしい。

前足に 猫の体重 かかりけり 上がるはよいが 下りるがきつい
 
とはいえ、やはり太り過ぎは人間同様よくないと思われ、もう少し猫の贅肉を落とさせる方法をあれこれ思案しているのである。

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