2016年11月19日土曜日

静かなる 台所裏 ひしめける 去年(こぞ)の猫らの 幻を観る | 川柳一句 短歌二十五首

ネコじゃらし 飛び跳ねる猫 逃げる猫

ガリガリと 餌待ちきれぬ 猫どもが 敷居の引き戸 掻き毟りけり

やんちゃ猫 我に牙剥き 部屋の外 雨と冷気に 出るを躊躇う

ネコカンを 出せば残して 出さぬ日は 「いつものアレは?」 という顔で見る

食べる日は ドカドカと食い 残す日は 山盛りの餌 一口齧る

残し餌 皿下げようと 手を出せば 不服げな顔 猫が睨めり

ダラダラと 食いダラダラと 眠(ねむ)こける これが一番 猫の健康

顔洗い 雨の来たるを 飼い主に 知らすわが家の 賢き猫よ

ねこじゃらし 振れば鈴の音 聞きつけて 流し下より 猫飛び出づる

ねこじゃらし 追う猫に似て 人も夢 追いてきりきり 舞い狂いける

太鼓腹 ダラダラ食いの その果てに 猫が太りて 冬を迎えり

堅焼きの ジャーキー猫に 出したけど 齧りはするが 結局食わずw

「食い物を 置いてお前は 消え失せろ」 懐かぬ猫が 今日も牙剥くw

暖房の 付いたハウスと 付かぬ小屋 出たり入(い)ったり 初冬の夜に

爪とぎの 紙のカバーを 掻きむしり あっさり破壊 爪の威力よ

猫にして 猫に非ずや 家族なり 元気な姿 神に感謝す

抱いた猫 泥の付きたる 前足で 我の口元 パンチ食らわす

梟(ふくろう)の 如くホーホー 奇声上げ 縄張り荒らし 払うわが猫

静かなる 台所裏 ひしめける 去年(こぞ)の猫らの 幻を観る

ねこじゃらし 上にかざせば わが猫が コンマ数秒 直立をする

直立を してもせずとも 可愛さに かわりはないと 猫らを撫でる

飼い主の 威借り気弱な 雄猫が 庭先入(い)りし よそ猫を追う

皿盛りし 新しき餌 口つけず なぜにわざわざ 残飯食す

鯖虎の 猫の背撫でば 空鳴きの 我を見上げる 緑の瞳

ロンパリの 太りし猫の 目の色を しげしげ見れば かすかに青く

目の色が 青でも黄でも 緑でも 猫の可愛さ かわりはあらず